TOP/海外インターン体験談(タイモブログ)を読む/ルワンダの体験談:【ルワンダでレストラン経営のシングルマザー】唐渡千紗さんのお話。
こんにちは!ゆこ@インド改め、たなかちゃん@ルワンダです!
9月11日~9月24日まで、STARTUP AFRICA IN RWANDAで、
企業訪問・ルワンダスタートアップ企業の営業をしてまいりました!
今回は、企業訪問でお話を伺ったASIAN KITCHEN(アジアンキッチン)のオーナーであり、1児の母でもある唐渡千紗さんについてご紹介させて頂きます!
STARATUP AFRICAメンバーと唐渡さん(中央下)との集合写真!
【目次】
◆唐渡さんはなぜルワンダに?
◆ルワンダで飲食店を経営することの難しさとは?
⑴ルワンダ人と働くということについて
⑵内陸国ルワンダ、仕入れはどうしているのか?
⑶アジアンキッチンの今後は・・・?
◆シングルマザーでルワンダ起業、そんな唐渡さんの生活は?
◆唐渡さんが大切にしていること
訪問させていただいたASIAN KITCHENは・・・
ルワンダ・首都キガリのキガリ空港から車で10分もしないところにあるアジアンキッチンは、
タイ料理を中心にアジア料理が楽しめるレストランです。
お店の外観はこちら!(夜撮ったせいで、暗いですね・・・)
おしゃれな店内は、解放感がありキガリの過ごしやすい気候でお料理をいただけます。
お店の内装は、インターンシップとして来られていた学生さんが考えられたそうで、驚きです!
ちなみに、こちらは私たち20名グループの宴会用のレイアウトになっています。
別の日にアジアンキッチンでいただいた、MY FAVORITE「バーミーヌードル」❤❤❤
■唐渡千紗さんは、なぜルワンダに?
唐渡さんは、7歳の息子さんをお持ちのシングルマザーであり、アジアンキッチンのオーナーです。
私たちSTARTUP AFRICAメンバーもなぜ息子さんと2人で、
日本から遠く離れたアフリカ、ルワンダで飲食店をオープン!?と興味津々で、訪問させていただきました。
ルワンダ以前は、リクルートにて7年間(途中、産休と育休)勤めておられた唐渡さん。大都会東京で働くバリバリのキャリアウーマンです。何不自由ないように感じますが、唐渡さんはその頃の生活をこう話させています。
「当時の会社で成績を残して、上に上り詰めるイメージはなく、東京の生活は毎日忙しくて、くたくた・・・シングルマザーはすごく大変だった!!本当に今の生活を今後もずっと続けていきたいの?という疑問と、心から楽しいと思えることがしたい!と漠然と感じていた。」
唐渡さんが当時の生活を続けるか、やめるか悩んでいた30歳の時、偶然ルワンダにお住まいのご友人夫妻を訪ねる機会があり初めて渡航。
ルワンダの印象は、気候が良い・安全・のんびり!ということ。
「いい機会だし、子育てによさそうだし・・・」そう思った唐渡さんは、息子さんの医療や教育のことを悩まれたそうですが、自分の人生は自分で決めたいと思い、腹をくくって当時の生活をやめようと決め、2人でルワンダに来ることを決断されました。
そして、なぜタイ料理だったのか?については、「まず何をしよう?」から始まり、初期投資から始めやすいサービス業→エンタメや飲食店のバラエティが全然ないと感じる→外国人がタイ料理を作って楽しんでいるのを発見→実際、マーケットにタイ料理店無い!というお考えのもと。実際にオープンして、ここまで有名にされていることに驚きです。
アフリカで生活されている方々のイメージに、「何か特別な感情がアフリカにあるのかな・・・」というふうに思っている人も少ないと思いますが、唐渡さんは、絶対にアフリカに来たかったわけではなく、最初からルワンダで、飲食店でないといけなかった理由もなかったのですね。。。それを知って、私たちは更に驚きでした。
■アジアンキッチンの経営
アフリカ・ルワンダで働く、人を雇用してマネジメントすること、経営することについて、お話をいただきました。
まずこちらを・・・!
人気メニューながら、スタッフには馴染みのない(好まれなかった)アジア料理・・・
生春巻き!!!
こんなに美味しいのに・・・と思いながらも、ルワンダの方は基本的に芋が主食で、”塩のみ”か”トマトベース”の味付けを好むのだとか・・・不思議な料理に感じてしまうかもしれないですね。
食の文化も大きく違うルワンダ人と働くのは、大変ではないのでしょうか。伺っていきます。
⑴ルワンダ人と働くということについて
現在、スタッフはキッチン4名、ホール4名、クリーナー、セキュリティーを含めて計15名。(最近、主要メンバーが一度に2人も辞めないといけなくなったそう・・・)
ルワンダ人スタッフならでは・・・常識が通じない・・・と思わせる事件も多々起こるそうで・・・
例えば、
・分かっていないことにも、分かったと返事をする。
・失敗を隠そうとして、、小学生並のウソを平気でつく。
・「ごめんなさい」と謝れない人が多い。
・時間は基本守らないので、時には予定の3時間も前倒しにしておくことも。
・外国留学が2日前に決まって辞める
アジアンキッチンスタッフさん以外でも、
・水、電気は頻繁に止まるのが日常。
・お店の内装施工の人に逃げられる。
・大家さんともめて、ルワンダの腕利き弁護士に頼んだことも
→結局、大家は破産していて、唐渡さんのお金は一部しか返ってこなかったとか・・・
いかに、常識の通じない彼らに働いてもらうかがキーポイントになりそうですね・・・
まず採用に関して、唐渡さんは基本的に知り合いの方からの紹介で、身元が割れている人のみの面接をしています。
そして唐渡さんのスタッフ採用の第一条件は、「不正をしないこと」です。
例えば、レジにあるお金を盗まないこと。「そこにあるお金を盗むことよりも、これから働いて得られるお金の重要性を理解できることが大切」とのこと。
本当に常識的なことのようですが、それが通用しないのがアフリカ。唐渡さんがキッチン・フロアにいることでお店の規律が保たれており、常に不正を防ぐ仕組みを考えています。
遅刻者に対しての規則を設けたり、「悪意でミスをした場合は考課に反映したりインセンティブの減額をするなども・・・。」
スタッフにはかなり厳しくされている唐渡さんですが、大先輩飲食店オーナーさん(60)には、「まだまだ甘い経営だ」と言われるのだそうです。
スタッフへの採用・指導は大変なエネルギーが必要だということが伝わってきました・・・。
ルワンダ人と接することについて、唐渡さんはこう思うことがあります。
「ルワンダでは本当に貧富の差が大きい、一部の人が富を握りしめていている。例えば、ルワンダで7時間皿洗いをしてもらえるのがたったの300円ほどであることがざらにある。唐渡さんの自宅で家事などをして働く22歳のハウスボーイが、”なぜ神は僕をここで生かしているのか”と言っていたことがあり、そのハウスボーイの8人兄弟で職があるのは彼だけ・・・」
「一緒に働くスタッフの中でも、全然しゃべらない2人がいたりする。異なる部族出身で、誰も指摘するわけではないが、歴史的背景も絡んでいると思われる。」
ルワンダと聞いて、ジェノサイドと思い浮かべられる方もおられるのではないでしょうか。これはルワンダ人と一緒に働くということにおいて、どこか切っても切り離せない事柄なのだと感じます。
このような背景はありますが、わたしがアジアンキッチンに実際に行ってみて、感じたことを素直に申し上げると・・・
スタッフさんの接客が非常にあたたかいことです。
ルワンダ人スタッフさん達がアジア料理のお店で働いているということ自体に私が嬉しく感じるものがあったのかもしれませんが、
マニュアル通りの接客ではなくて、居心地の良い日本のおもてなしをルワンダでルワンダのスタッフにしてもらうことで、不思議と私は心が温まりました。
⑵内陸国ルワンダ、仕入れはどうしているのか?
アフリカの中部に位置するルワンダ。仕入れは、どうしているのかというのも、大きな疑問でした。。
唐渡さんから一言、「仕入れ、大変!!!」
やはり、大変なようです・・・
タイ料理に必要な食材で、ルワンダで簡単に手に入るものと、入らないものがあるようで、例えば、タイ料理の代表食材”パクチー”や”ナンプラー”は、手に入りやすいのだそう。助かりますね!と思った矢先・・・
逆に、米麺はタイから輸入する必要があるので、関税と輸送費のせいで恐ろしいほど高くなるそうで、タイで$0.6の原価だったのが、アジアンキッチンに届くころには$5に。利益も圧迫されます・・・
日本でいう”スーパー”には、ルワンダ産のものが少なく、輸入品が多いので値段が高いようです。
現地のローカルマーケットにスタッフを買い出しに送ることも日常だそうですが、ローカルマーケットでは値段交渉をすることが当たり前なので、毎回食材の仕入れ値が違うことは悩みの一つ・・・。
⑶アジアンキッチンの今後は・・・?
現在、お客さんの8割ほどがルワンダに観光や駐在で滞在している外国人の方です。残りの20~25%のルワンダ人の方も、海外経験がある方がほとんどのようです。
リピーターとして来店していただくことが多いそう。
私がルワンダに実際に行ってみて思ったことは、「食の娯楽が本当に少ないこと」でした。そんなルワンダで、「アジアンキッチンを通して“おいしさ”を伝えたい。」と唐渡さんは語ります。「現在は、必然的にターゲットがアッパー層になっているが、いずれはルワンダ市民にもリーチしていきたい」と続けられました。大多数の人にインパクトを与えられる産業が無いのがルワンダの現状です。
アジアンキッチンで今後改善していきたいことが、売り上げ・在庫・材料の発注のデータ化、IT化だそうです。「現在は記録を人の手で行っていて、スタッフの不正があった際に、それを見抜くシステムがあれば大助かり!」と唐渡さんはおっしゃいます。システム系・IT系が得意なあなた、インターンシップいってみませんか!?唐渡さんのもとで、まだまだ新しいアジアンキッチンを創っていける最高の環境です。
(宣伝に関しても、Facebookのみで行っておられるのですが、これからどんどんプロモーションもしていく予定のアジアンキッチン!マーケティングに興味のある方も、唐渡さんにメッセ―ジしてみてくださいね^^)
ただひとつ、唐渡さんはこれからビジネスを続けながらも、息子さんとの時間ももっと大切にしながら暮らしていきたいとのこと。素敵です・・・^^
■息子さんについてと、ルワンダの生活
朝から晩までアジアンキッチンで働いておられる唐渡さん、
毎日の生活と子育てについて、私としてはかなり気になっていました。
まず、息子さんは現地の小学校に通いながら、家ではナニーさんが面倒をみてもらっています。
・・・日本では、“ナニーさん(家政婦さんのような役割)”はあまり一般化していないと思いますが、ルワンダではかなり多いです。実際、私が営業で訪れた裕福な家庭(家の佇まいから)でも、ほぼ100%ナニーさん(または警備の人)が門を開いてくれるというような状況でした。
日本では、「自分の子供は自分で育てるべき」であったり、「自分の親の介護をひと様にやらせるなんて」というような概念があると思います。「それを取り除いていければ・・・ナニーさんの制度を使う人がもっと増えれば・・・」と唐渡さん。働く女性そして母になると、これから私も同じように思うことがあるのでは、と思わせるコメントでした。
息子さんは、現在7歳。唐渡さんの懸念の一つに、やはり「息子さんへの教育」があります。現地の小学校の中でも高尚で、ルワンダの政治家やビジネスマンのお子さんが通われています。しかしながら、教育レベルは日本と比べてしまうとかなりいまいち・・・
日本では当たり前にある、学校の朝礼がすごいんだな、と思ってしまう学校なようです。
息子さんが10歳になる頃には、外国に一緒にいくのか、行ってもらうのか、思案されています。
現在の息子さんの生活面は、ナニーさんもおられて、小学校も今のところ心配なさそうですが・・・、
唐渡さんは朝から晩までお店におられるので、息子さんと過ごす時間が少なくなってしまいます。1日2回は必ず会うようにしていて、その一緒にいられる時間を非常に大切にされていました。
息子さんが大好きな、強い働くお母さんです。
■唐渡さんが大切にしていること
東京キャリアウーマンから、ルワンダで飲食店経営。これほどライフスタイルが180度変わることって私たちの日常にあるでしょうか?
私は、これから自分のキャリアが始まる一人の学生、一人の女性として、唐渡さんがどうしてそのように思い、これまで何を大切にしてこられたのか、という質問をさせていただきました。
唐渡さんの答えは、こうでした。
「自分で決めること、それを必死でする。
ご自分の生活、息子さんの生活がかかっている。やらないといけないことはやる。」
自分の人生を自身で決めるということは、簡単なようでなかなかできないことだと私は思います。
自分が「こうしたい」と思うことがあっても、その代わりに変えなければいけないことや、周囲の人からの意見など、その代償からやめてしまうことがあります。
そこで、「こうしたい」ことを“しない”という選択もまた自分の決断であり、その方良いのかもしれないですし、人によっては間違っていません。
そしてまた、「こうしたい」ことを“する”と決めて実行する選択は、時として楽ではないと思います。しかし、それも自分の決断です。
誰のせいにもせず、自分が考えて決めることが大切で、それをつべこべ言わずにやってみること、それをまさに体現しているのが唐渡さんだと感じました。
それが、唐渡さんがかっこよく、強いな…と感じる理由だと思います。
唐渡さんとの素敵な出会いに感謝です!
以上、ルワンダ・キガリのアジアンキッチン・唐渡千紗さんについて、
私たなかちゃんからご紹介させていただきました!
是非、一度(そして、何度も)素敵な唐渡さん・スタッフさんのいるアジアンキッチンで、お食事を楽しんでください^^
❤❤❤❤最後に、新メニューで私も一押しのプリン!!!!!❤❤❤❤
(また絶対食べたくなること間違いなし・・・是非お試し下さい!!)
❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤
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